氷の大陸にたった一つの花が存在を示す。氷は冷たくそして固くすべての物を拒む。しかしその一輪の華はひっそりと、だが確かにその美しさを放っている。
イメージするなら、十七弦が織りなす氷の群れに、箏が奏でる花が色々な姿となって、表れては消える。それでもその華はいつまでもあり続ける。
一九九九年作曲 倉内里仁委嘱