三味線には雑音を意図的に入れる さわり という機構があります。



Shamisen has a mechanism of making buzzing noise purposely.

これは元は一の糸を上駒からはずし上駒の下にあるくぼみに少しだけ触れさせ、

バイブレーション的な音を作り出すもので、

雑音を消すように作られた西洋楽器と比べまるで逆の発想で特徴的なものです。

最近ではねじで突起を上下させ、音の高さが変わっても常に一定にさわりが

鳴るように「東さわり」という機構があり、全ての糸が上駒に乗っている為

その下にあるくぼみは意味の無いものになっていますが、

昔は試行錯誤で和紙を重ねて貼ったり押しさわり
と言って糸をつぶしてさわりをつけたり、大変な作業でした。



This is the mechanism for making buzzing sound by only the bottom string keeping out from nut , and touching the edge of the depression under the nut.

This is the distinctive feature because western instruments develop to reduce noise,
so opposite way of thinking.

Now we have a mechanism called Aduma Sawari(litteraly means west Sawari)
,the mechanism of making buzzing sound by making the wood piece projection up and down by the screw at the other side of neck.

We adjust the adumazawari to the buzzing sound longest point,
but adumazawari makes it easier even when the tension of strings changed.

So we don't need to keep out bottom string from the nut,
so the depression under the nut make no sense, but it remains only a shape.

In ancient times without sawari we found it trouble to adjust sawari,

such as putting tiny layers of japanese paper under the string,
crushing a string by pushing it strongly.

このサワリという機構、三線にはありません。

三線が本土から伝来していつごろついたのか気になりますよね?

This mechanism is not attached okinawan sanshin.

Shamisen is said to develop by okinawan sanshin,

We wonder when sawari is put on shamisen.

吉川英史著 芸大邦楽科誕生秘話と三味線の美学と 出版芸術社に乗っていました。


↑こちらで買えます。貴重な資料です。



それによると伝来当初 石村検校の時代は1、2、3の糸をともに上駒にかけていたそうです。

ところが 寛永 1630年頃の三味線の絵では一の糸を上駒からはずしてありますが、
同時代に作られた三味線は一の糸がまだ上駒に乗っているそうです。

ですからこの時代にはまだ両方が混在していたようです。

When we first introduced shamisen in japanese mainland,
all strings were on the nut, but
around 1630 , we can see the picture in which shamisen's bottom string keep out from nut, but all strings are on the nut when we see the shamisen made during the same period ,so we can think both way exsited during this period.


それから時代がくだって 宝暦 1760年頃に 三絃独稽古(ひとりけいこ)という本には
一の糸がはずしてあって、それを説明してあります。

宝暦の時代にはさわりが完成したようです。

Butthe textbook for learning shamisen by oneself around 1760 says bottom string
keep out from the nut , and explains it.

so We can think around 1760, sawari mechanizm completed.


外国の方には説明しづらい三味線の皮ですが、

細棹の本番用が猫皮で、細棹の稽古用や津軽三味線に到っては全て犬の皮を使います。

「中国や韓国など、犬を食べる習慣のある国からの輸入」

と説明しますが今でも保健所から払い下げの皮もあります。
http://pub.ne.jp/withinuneko/?entry_id=4272821

一昔前までは猫や犬の皮を取る名人がいたそうですが

今は日本のものは人件費も含め高くなるのでタイなどの輸入物が多いようです。


三線では蛇皮を使っておりますが、本土では輸入できません。

本土では蛇が取れないから、という説明を耳にしたことがありますがそれは間違いで、

三線の皮にするような大蛇は沖縄にはいないので、

蛇皮はビルマニシキヘビで昔から輸入品で、とても高価なため持っていたのは

貴族か、あっても家宝にするような大事なもので、庶民は渋皮張りの三線を使っていたそうです。

その代用品を探す際に、太鼓や鼓の皮であるところの馬の皮などが試験的に行われたので

ありましょうが、手に入り易かったのもあるのでしょうが、音響上の淘汰を受けて、ついに猫や犬の皮に落ち着いたようです。


今ではカンガルーの皮や合皮もありますが値段が変わらない上耐久性も低く

音は非常に抜けが悪いため好まれません。

非常に微細な穴を開ければ動物の皮の抜けを再現できるのでしょうが、
そこまで需要と資金があるかが問題で、

remoの皮でも張ってやろうかと思っています。





あれは動物愛護団体の奇行のみを報道された日本人ならではの考えではないか

と思うのです。その証拠に私は外国人とふれあうことがありますが、

犬猫の皮に抵抗を持つ割合は、日本人とそう変わらないという印象です。

それよりもべっ甲が 持続可能な(sustainable)な方法で捕獲されているのか、

そちらの方が気になる方が多いようです。

もちろん外国人の三味線仲間が
多いという理由もあるでしょうが、合皮よりもネオべっ甲を選ぶ方の方が多いです。


べっ甲はワシントン条約で輸出入が禁止されていますが、

「禁止前に入れた在庫を使っている」とはいいますが

象牙に比べ値段が殆ど上がっていません。


出元は分かりませんが、今でも何らかの形で捕獲されたものが

入ってきているのでしょう。


今では養殖もあるそうですが、柔らかすぎてバチには使えないそうです。


さわりと皮の話は

吉川英史先生の著から取ったものですが、

宮本武蔵の著者と一緒!?

と思ったら

宮元武蔵の方は 吉川英「治」なんですね。

演奏情報
http://www.shamimaster.com/informationj.html

新宿津軽三味線教室
http://www.shamimaster.com/kyoushitu.html

津軽三味線、琴、沖縄三線、演奏教室
三味線弾きシシド(小山貢山)

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