三味線弾きシシドの「日本文化ゎやばい!」

津軽三味線、箏(琴)、沖縄三線を 演奏する、 三味線弾きシシド(小山貢山)のブログ。茶道、合気道もたしなむ日本文化体験&発信記。

2006年12月

所有楽器紹介(長唄三味線)

所有楽器紹介(長唄三味線(紅木細棹))


長唄三味線1


今日は長唄三味線のご紹介です。


長唄三味線は、その名のとおり

長唄(歌舞伎のバックミュージック)
の伴奏として使われるもので、


長唄三味線では津軽三味線などの
太棹より細い棹を使い、細棹と呼ばれます。


長唄三味線(細棹)


長唄三味線2




値段 これまた祖父のものでわかりません。

入手先  愛媛県西条市石原楽器(西条市には祖父母の家がある)




胴   花梨(かりん、マメ科。タイ、ミャンマー原産。軽くて狂いがない。三味線の胴は全てコレ。)
 
棹   紅木(こうき、インドネシア産、固くて水に沈むので、指をすっても指版が減らない)


弦  全て絹製。切れやすいが、丈夫なナイロン製は音色が劣る。

長唄三味線4



駒  プラスチック製。鯨の駒(げいのこまといって
   鯨の骨でできているものもある。いいものは象牙製。)

長唄三味線3



皮  猫の皮。

長唄三味線5


バチ 平バチと呼ばれるバチ。


手前がプラスチック製、奥が象牙製。


津軽三味線が棹を立てて演奏するのに対し、
長唄三味線では寝かせて演奏します。(上図参照)

なお、長唄三味線などの伝統的な
三味線は、音の減衰が早いため、
一つの音と次の音までの「間」というものが
大事になってきます。

これは、踊りや演技の伴奏として発達したものですから、
三味線も余韻のある弾き方よりは歯切れの良い方が合う、
ということからだそうです。

余韻を出来るだけ長くするように発達してきた
西洋楽器とは全く逆の考え方ですね。


越後獅子よりさらしの合方(前弾き付き)
http://www.shamimaster.com/sarashinokaikata.html

吾妻八景より佃の合方(前弾き付き)
http://www.shamimaster.com/tukudanoaikata.html

自分で演奏したものなので腕は大したものではないので参考までに、、

三分割した三味線の画像と動画。

三分割1三分割2三分割3





最近よく三味線って三つに分割できるんですね!

と言われるのでその衝撃的瞬間を

写真にしました。

この構造を三つ折れ(みつおれ)と言います。

三味線弾きにとっては当たり前でも、

他の楽器やってる人にとっては参考になるかと・・・

持ち運びに便利な様に三味線ってのは三分割できまして、

穴のところは金ホゾと言って磨耗に強くするために
強化してあるんです。

安い三味線はこの金ホゾがありません。


三味線分解パフォーマンスをすると、

「音色には関係ないのですか?」

とよく聞かれるのですが、

4万円の通販の三味線でも
3つ折れできるようになってたくらいで、

ほとんどの三味線にはこの機構があり、

三味線の隠れたアイデンティティの一つになっております。

はずして持ち運ぶときは、破損を防ぐため、
仮継(かりつぎ)というものをつけます。

このぴたりとはまる三つ折れの技術は、
日本の職人の神業、と言ってもいいかもしれません。


(後日、三味線屋さんに聞いたら最近は
機械で作ってるそうです、、まだ職人さんが
やってるところもあるんですけどね、、)

こちらの方が画像がきれいかも・・・
http://www.kine-ie.com/shamisen/

こちらは分解してる動画です。
http://www.flipclip.net/clips/shamimaster/a3947116a43ac341ed2823e04a533148/popup


私が弾いているのは琴でない!?

私が毎回 箏(琴) と書いているのは

正式には私が弾いている楽器は


箏 という 字を使うのですが

常用漢字に入っていない為 琴と言う字が一般的に

使われているからです。


箏→ 柱(じ と呼ばれる駒)を調節して

音を調節する楽器

箏



琴→ 一本の弦を指で押さえて音の高さを変える楽器


琴



と正式にはなります。


音楽関係の方は箏の字を使えば、「こやつ、できるな」と思われること受け合いです(^^ゞ

ポスターで字数が制限されている場合、

人に物を伝えるためのものだから、、ということで

琴 の文字を使った時、 

七弦琴の方を弾くのかねぇ等と

イヤミを言われたことがあります(汗)





そういう方には

「琴っていうのは弦楽器全体の総称と言う意味もあるんですよ。

月の琴で月琴ってありますよね?

月琴



で、琴柱(ことじ、箏の駒)と琴台(きんだい)は必ず 琴の

字を使います。 これはいいんですか!?」



と論破したことがあります(ごめんなさい)


商品名としては琴柱、 教本なんかでは箏柱になっていますが、

琴台は教本でも必ず 「琴」を使っています。


私としては言葉は人にモノを伝えるためのものなので

琴 を推奨したいところです。



お箏を少々、、 より お琴を少々、、

の方がやっぱりしっくりきますよねぇ。

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